今さらながら長らく愛用しているHDRsoftのPhotomatix Proを4から5へアップデートした。4のライセンスがあれば無償アップデートできたからだ。
新しく追加された機能は単一画像のパッチ処理に正式に対応のようだ。要するに一枚の写真からでもHDR化できるということなのだろう。単一だと露出調整には限度があるだろうが、時差がないのはよいかも知れない。
といっても、RAW現像ソフトで露出を変えた写真を用意すれば手動でもできるので、それほど魅力的な機能とは思えない。
私はHDR化するときはEOS標準仕様の3枚か、多くて7枚のブラケット撮影によるのだが、どうしてもそれだと時差がでてしまいゴーストが現れる。ゴースト除去機能も勿論ついているのだが、あえて表現として使うのも面白いと思っている。以下、作例。
こちらは7枚を合成したパターン。やや断続的にはなってしまうが、ND400フィルターでバルブ撮影をしたような絵になる。同時にHDR化もしているのであざやかさで優れている。
渋谷のスクランブル交差点。ここで撮影している人はたくさんいるのでわりと心置きなく撮影はできる。曇りの日でもこれだけあざやかになるのは中毒的になるのもうなずけるだろう。
白黒のHDRもなかなか好きな加工のひとつだ。やや線がうるさくなるが、その独特の線がまたよい味を出す。
思い切って絵画風に加工するのも面白い。幼少期に祖母の家に飾ってあった、怖かった思い出にある華厳の滝の絵に近づけた
こちらも7枚ブラケットによる。RAW現像はCapture One Proを使用。紅葉なども実際に見るよりもというと語弊があるが、美しく仕上がる。自分なりの紅葉設定を作って保存しておくとよいだろう。
そしてPhotomatix5にて実装された、単一画像による露出合成を発動させたもの。RAW現像もPhotomatix Pro側でやるようなってしまう。なんだか上の7枚ブラケットよりも見栄えがよい気がしてきた。
HDRはもう少し研究して行きたいものである。以下、私がHDR化するときのスタンス。
- なるべくHDRとわからないHDRというギリギリの境界線を模索する。
- プリセットに頼らずなるべく自分なりの設定を探す。
- RAW現像自体はPhotomatixで行わないで、専用ソフトを使用する。
- HDR作品を複数ならべるときはトーンを統一するように意識する。
- 彩度を過度に上げすぎない。30%程度を限度とする。
ともすれば中毒的になり、邪道とも揶揄されるので取り扱いには注意。しかし500pxなどの海外写真SNSではこんな写真が死屍累々と跋扈している。日本でいうなら開放全開の写真が多いようなものなのだろうか。表現としては私はどちらも大好物なので、大いに許容している。
因みにHDRを解説している書籍はあまりない。書店の雑誌コーナーでたまにみるくらいだ。
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