アガベマイトはやっかいだ。なにより虫にやられてしまうと心が折れそうになる。感染が広がり大切にしていたアガベたちがどんどん弱っていく姿はいたたまれない。だが「こんなことでアガベを終わりにしたくない!」そんな確固たる意志によりこの記事を書こうと思う次第である。

姫嚴龍

ジャガーノート

フィリグリー
現状、今年購入したアガベ168株の内、アガベマイト被害を受けている株が15株、アガベマイト疑惑の株が3株となっている。
さてアガベマイトとはアガベに寄生するダニのことだ。アガベがこれに寄生されると、アガベの成長点の根元などを中心に白くなり凹んだりしてくる。そこからやがて茶色いスジのような傷が出てきて、気づけば被害がどんどん拡大してゆくやっかいなものである。アガベマイトは成長点付近の葉の内部にも潜んでいるので、薬剤を散布しても届かなかったり、完全に駆除することが難しい。
アガベマイトの大きさは0.1mm程なので、肉眼で見ることは難しい。毎日アガベをよく観察し、症状があらわれて感染に気付いた際は、なるべく早く他の株から隔離することが大切だ。近くの他のアガベにも風などで飛ばされることで、感染が拡大してゆくやっかいなものだからである。

アガベマイトに効果的なのは薬剤散布である。有効な薬剤にはアグリメック、ダブルフェース、モベント、花いとしなど他にもあり割と種類は多い。ただし同じ傾向の薬剤を続けて散布すると、アガベマイトに耐性がついてしまうので、IRACコードを確認して、同じIRACコードが続かない散布ローテーション計画を組む必要がある。また年間の使用回数にも薬剤ごとに制限があるので気を付ける必要がある。薬剤の中には普通物の他に劇物指定されている薬剤もあるので、使い切ることを基本として、残った薬剤を処分する場合は適正な処分方法を守る必要がある。
私が現在、使用している薬剤は以下である。
アガベマイトに効果的な薬剤 (※Amazonアソシエイトリンク有)
・『アグリメック』
強力な効果。
有効成分:アバメクチン
IRAC(6) 神経および筋肉作用
・『ダブルフェースフロアブル』

有効成分が二つあり、高く広い効果。展着剤にダインを使用。
有効成分:スピロテトラマト,フェンピロキシメート
IRAC(21A,25B) エネルギー代謝
・『モベントフロアブル』

アガベマイトの幼虫に対して高い効果。
IRAC(23) 脂質合成、成長調節
・『花いとし』

普通にホームセンターで買える。即効性あり。
有効成分:ミルベメクチン
IRAC(6) 神経および筋肉作用

以上の四つの薬剤を使用している。私の場合は、現在、予防のための薬剤散布を行っていない。あくまでアガベマイトと思わしき症状が出た株のみに薬剤散布を行っている。アガベマイトかなと疑わしい段階では、花いとし、を散布して様子見をする。どうみてもアガベマイトだなという被害株にはアグリメックを散布する。そして概ね一週間から一ヵ月後くらいに次の薬剤を散布する。
アガベマイトの成長サイクルを考えると大体、一週間から10日以内に次の薬剤を散布した方がいいようだ。一回目の薬剤散布で駆除できなかったアガベマイトや孵化した幼虫などを駆除するイメージである。まずアグリメック散布して、1週間後にダブルフェースを散布して、また1週間後にモベントを散布する。これを1クールとして3週間かけて薬剤を散布した後に、もう1クール繰り返して6週間でアガベマイトを駆逐できればいいなというローテーション計画を考えている。
ただしダブルフェースは使用回数が年1回となっているので、ダブルフェースの代わりに『バロック』IRAC(10B)や『ダニ太郎』IRAC(20D)、『ニッソラン水和剤』IRAC(10A)、『スターマイト』IRAC(25A)、『カネマイトフロアブル』IRAC(20B)などを使用してもいいかもしれない。
また将来的には予防としてのアガベマイト薬剤散布ローテーションを年間ベースで考える必要が出てきそうだ。予防の場合はアグリメックは強力すぎるような気がするので、アグリメックはあくまで症状が出た株へのスポット散布としたい。
年間ローテーションとしては、春先、初夏、夏から秋にかけて行い、年に3回ほどに分けて行いたい。春先にモベントで成長阻害をして幼虫を駆除、そして初夏にダブルフェースのMETIにてエネルギー代謝阻害にて予防、夏から秋にかけては6系の花いとしの有効成分ミルベメクチンにて神経系阻害にて駆除。その際、明らかにアガベマイトに感染している株については同じく6系のアグリメックにて駆除を行いたい。徹底的にやるならば予防のための散布も各回ごとに複数の薬剤をローテーションで散布する方がいいかもしれない。なるべく劇物であるアグリメックは予防散布に使用しない方針である。
そんな感じで、まだまだ今年からアガベを始めたばかりなので、薬剤散布については引き続き情報収集に努めて、改良をしてゆきたいと考えている。

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