※2025年12月9日 編集・校正
ある日曜日の昼下がり、新宿御苑へ向かった。今回の撮影散歩では単焦点レンズ(RF50mm F1.2L)の開放縛りにて主に薔薇を撮影をする。数年ぶりの写真を趣味とする仲間たちと大木戸門前にて邂逅し、会話と散策を愉しみながらの撮影となった。午前中に降っていた雨は上がり、時折差す太陽は光は眩しく、まだ濡れている青々とした芝生の上で人々は寝転びながら休日を満喫していた。まるで平和をそのまま絵にしたような光景であり、そこにファインダーを覗く価値があった。

薔薇の色は難しい。薔薇に限らず花の色は難しい。目で見た色とまったくは同じにはならない。そもそも私の見ている薔薇の色と、他の人が見ている薔薇の色は違うかもしれない。その不安定な世界を思いながらシャッターを切る。それによって薔薇の色が少しでも確かなものになるのではないかという希望を抱きながら。私の中二病は確かなようだ。

開放主義は時につらい。花びらの全てにピントを合わせて撮りたいところだが、試行錯誤しながらボケを花の上、葉の上、空間へと回しながら、被写界深度の隙間に解像する花びらを探す。特にこのRFレンズはEFレンズと異なり、ピントが合った部分の解像度がFOVEON並であるため、使いこなすの難しい。EFレンズのときには許されたピンボケもまた味わいという逃げが許されない。

写真を撮るときは何も考えなくていいし、むしろ何も考えない方がいい。RAW現像でこねくり回さず、潔くJPG撮って出しで十分だ。単焦点レンズで花を撮るのは意外と難しい。

ところどころで日陰と日向が交錯することもあり、減光フィルターを取り換えながらの撮影となった。日陰の中に凛と咲く薔薇の佇まいに惚れ惚れとしながらシャッターを切る。ボケもうるさくない感じで心地よい。

ピントを合わせるのを半ば諦めて自暴自棄に撮影を続ける。絞ればいいじゃないかと思われるかもしれないが、そこは開放主義者のプライドが許さないのである。どこにもピントが合っていない写真というのも乙である。

日向で撮る薔薇もまた好い。ボケの丸ボケをもう少しうまく活かせるようになりたいものである。今度はEOS R5 + RF50mm F1.2L USMとEOS 5DM3 + EF50mm F1.2L USMの二台持ちで比較写真を撮ってみるのもいいかもしれないと考えた。実際はかなりの重量になってしまうし、煩瑣になるから考えるだけにしておこう。

白。花弁がものすごい解像をしている。光の色が暖かい。

真上から撮るとピントの合う箇所が増える。そんなこんなで撮影に没頭していると、閉園の時間となってしまったので退散となった。もう少し花を撮る技量を磨き、次回は京成バラ園にも行ってみたいものだ。


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